2022年11月4日金曜日

これから

 いろんなオシゴト映像に取り組みながら頭の斜め奥の方で今後の人生展開と作家展開を考える…

仕事に追われるとつい脚本が休すみがちになる/なっている。でも良く書けてる気がするからまあいいか・・。
それにしても今年はいろんな方面で調子狂わされることが多い。社会は喧しい展開を期してつい数年前の感覚ではあり得なかったはずの事柄が、今は当然の顔をしている。違和感だけが、どことも言わず周囲に漂い消えていく。いろんな意味で転換期の到来か?それに便乗して自分もそろそろこの地を離れるべきか?とよぎるのも事実。
でもなにも確信に至らないし、なにも決まらない。

それともこれから深刻な不況になるだろうから、いっそのこと下のスタジオを引き払って、また上だけを確保して凌ぐか、などもある。ああでもないこうでもないと、考えながらなにも明確にならず日々が過ぎてゆく。昔と違うのは、あとはもう年取るだけ、そんな状況でオレにできることはなんだろう?ということなのだ。たとえ、これまでのをすべて畳んでも表現行為をやめることはないだろう。そういう人間だからだ。頭が可笑しくならないために表現行為でバランス取る。これまでのすべてはただこれのためだったのかもしれない、とも考えようによっては思えてしまう・・。


2022年10月7日金曜日

映画「チカチカする ハルの川」


ポスター

キャプションの文章が暫く見つからなかったのだが、ようやく見つけたので掲載する。この作品は2019年、黄金町バザール2019で制作、発表された映画。その後、2021年にジャックアンドベティでも上映された。


映画「チカチカする ハルの川」(2019 51min HD)

監督・脚本 吉本直紀

 

出演

韓国人留学生 ハル   Gaeun Kim

写真作家 河本今男   荻野高継

赤羽拳         鈴木喜明

 

メコ 今男の女友達   小池瑠奈

 

チンピラ        三宅友達

            佐久間千春


キャプション文

夢とバカバカしい現実

夢の世界ではどんな滑稽な、日常を逸脱した状態も、またはどんなバカバカしい光景も、それがその世界のルールなら、それが常識として通用してしまう。そしてひとたび目が覚めた時にようやく「ヘンな夢見たなぁ」となり、数分後、または数秒後には忘れ去られていく。

だが時として人は、平常心なら誰でもおかしいと思うことを、思い込みの激しさや、または集団の場合なら、時にその時の「空気」という雰囲気などによって、そのバカバカしさを支持し、実行してしまったりもする。そういうことの最たるものが、戦争だと思う。戦争とは思うに、人類最大の人種差別行為だと断言する。本当はこの惑星には敵など存在しないのだ、と思う。存在しているかのように思わせたい輩と、僕ら一人一人に恐怖心があるだけなんだと思う。僕は祖母を東京大空襲で亡くした。そして黄金町では沢山の人が横浜大空襲によって同じ兵器によって亡くなった。いつかそれを題材にした作品を作ろうと思っていた。

 

映画=時間 写真=永遠に封じ込まれた一瞬/今

映画をやっているうえで普段から考えることは時間のことだ。74年前にあった出来事は古いフィルムなどのメディアによってその過去形を持続している。だが近年ではデジタル化によって20年前の映像でもさほど古さを感じなくなってきた。実際、古くなるのは被写体だけなのである。そして写真は「今」を半永久のフレーム封じ込めるメディアである。こんな発明は、これからもそうは発明されないだろう、と思う。

70年後、現在の状態を見る人類は、近年の我々が抱くような古さはさほど感じなくなるんじゃないか?と、と思う。そしてその頃、ここらあたりはどうなっているのか?またこの国はどうなっているのだろう?



2022年5月31日火曜日

続・忍びの者


 前回の一作目からさらにお金のかかった感じで、スケールが大きくなってた。信長が落ちた時は流石にぱちぱちと手を叩いたわ。あんな威張り腐った奴「ざまみろ」って感じ。ただ前回も感じたけど、この城 健三朗曰く、若山富三郎演ずる信長見てると茶目っ気あるけど尊大な面構えの感じが黒沢がその後「影武者」をやる際に弟の勝新を起用して「王様と乞食」と「リチャード三世」を足して二で割ったような信玄を発想した経緯が想像できるな?と思った。それ以外にも今回は「乱」を想起させるようなシーンもあって、時代劇だからというのもあるだろうけど、たぶん影響を相当に受けているんではないか?と思った。

また最後に秀吉にかくまわれたシーンは、いまのロシア対ウクライナでのアゾフ製鉄所の内部を見ているか?のような印象も受けた。しかし雷蔵演ずる五右衛門が敵中枢へ向かう際、親鸞を信仰し極楽浄土を願っていたが、果たしてウクライナの極右ファシストであるレジスタンスたちはなにを命に命を、または何に殉じて命を引き換えにしたんだろう?と見ていてつい考えてしまった・・。

忍者=スパイという諜報工作員であるが故の工作活動が前回より希薄になった気もしたが、人の心理を扱って一国を動かすという設定や、前回は偽情報を世間に垂れ流して真実を見えなくしたりと、どこかただのエンタテインメント、というより、そういうことは実際行われているんだと、訴えている気迫が伝わってくる。もともと原作は赤旗で連載されていたそうで、さっきそのことを知って、当時の共産党員の心情というか、そんなとこいらへんまで想像してしまった。本作で監督の山本薩夫は監督を降りるが、三作目も見たくなるような終わり方だったので、中野学校シリーズ同様、一応、最終章まで見る所存である。

2022年3月6日日曜日

ウクライナのこと

Why is Ukraine the West's Fault? Featuring John Mearsheimer

リンクは7年くらい前のアメリカの政治学者ジョン・ミアシャイマー氏の講演~全部英語。いまのロシア-ウクライナ情勢をほぼ全て的確に話してる。2008年のブカレストサミットの時点でグルジアとウクライナのNATO吸収は計画されていた。2014年2月22日、ウクライナの暴動、そこから始まるロシアへの圧力。プーチンへのネガティブキャンペーンのこと、などなど淡々と解説。 氏曰く、キューバ危機でアメリカ全土が脅威に襲われた。同じ心理がロシア人にも働いた。NATO東欧拡大は彼らには恐ろしい脅威なのだ、と。さらに一番良い状態はウクライナが中立国になることだ、とも。

まあ、つまり本当の巨悪はネオコン。プーチンはそれをもちろん分ってる。NATO/アメリカはウクライナを利用してロシアと代理戦争を展開している。こんな元来、兄弟同士のような民族がよその組織の謀略によって殺し合うのは本当に悲惨で馬鹿げている。一刻も早く武器を捨てて戦争をやめるべきだ。

念のため言っておくが、巨悪、というのはネオコンを指す。アメリカの人たちじゃない。アメリカ人は大抵みんな良い人だ。いや、世界中本当は大抵良い人達ばっかりなんだ。それをネオコンがこういう力のない緩衝国家を狙っては国家転覆謀り、情報戦や謀略によって彼らにとって都合良い民主主義を浸透させようとする。彼らの謀略に騙されてはいけない。それから、プーチンが戦争に踏み切ったことは間違いだ。だが上の理由で追い込まれ、踏み切ってしまった。短期で民間人を避けた死者の少ない侵攻のはずだったが、完全に誤算だった。プーチン政権は勝っても負けてもこれで終わるだろう。彼は戦争責任を取る必要がある。だが、なんといってもそのあと、ロシアがソ連崩壊後のあの無法地帯みたいな状態になったりするんじゃないかと、今それが一番心配。