2005年10月5日水曜日

こぉ

『アンダーワールド』まあまあ面白かった。主演のケイト・ベッキンセールがちょ~かわいかった。『マトリックス』の完璧パクリとか、「?」と思うところもあったけど-たとえば、ヴァンパイアがノートパソコン使ったり(ウィン ドウズかマックか気になった)-でも楽しめた。ゴシック調の世界観、CGを殆ど使わない演出、派手なワイヤーアクションにヴァンパイアと狼男などの特殊メイクが満載で、やりたいことやってて良かった。そうそう、音楽がちょ~カッコ良かったね。音の感性がよかった。クールな映画だった。
『JFK』はこれで何回目か判らないけど、ディレクターズカットは始めて。オリバー・ストーンは嫌いな監督だけど、この作品だけは好き。この前に見たときはもう随分むかしで、今回はじめてドナルド・サザーランドがやってる役が「ペーパークリップ作戦」の任務についていたという設定だったとわかった。この X という人物は映画を短縮するために設定された架空の人物ではないかと思う。特定のモデルはいたのかもしれないが。『JFK』の原作はこれから読む。最初に見たころはまだアメリカのCIAのことやら陰謀やら裏社会のことはあまり知らなかった。まだ見てなくてこれから見る人は、この監督の親米観やらケネディを英雄に仕立てている演出にあまり流されないように、志はケネディにあっても、常に冷静に見ることを意識したほうが良いかもしれない。
ところで「ペーパークリップ作戦」とは第2次世界大戦でドイツが降伏する直前にアメリカが有能なナチ党員やら科学者をアメリカ国内に移住させた作戦。一般的には大量の科学者とかが連れ出されたとして有名だけど、チョムスキーの本ではそれに似た作戦でヴァチカン、米国国務省、英国情報部が共同で凶悪なナチ戦犯等を国外へ連れ出しヨーロッパで諜報活動をさせた、なんて記録もあるそうだ。少し引用すると、
『彼ら(米情報部-つまり現在のCIA)の言い分はこうだ。「ナチ亡きあとのヨーロッパは米国が引き継いだのだ。米国人がドイツ人に代わる役割を果たすのは当然ではないか。それには左翼レジスタンスを攻撃する人間が必要だ。そこに居合わせた専門家がバルビーだった。(クラウス・バルビー「リヨンの虐殺者」という名で知られたナチ戦犯)彼はナチでずっと反レジスタンス工作を行っていたのだから、米国のために同じ仕事をしてもらうのに、バルビー以上の適任者はいなかった』
とある(ノーム・チョムスキー『秘密と嘘と民主主義』田中美佳子訳)。その後このバルビーは米国情報部でもかばいきれなくなり、まず南米へ逃亡させられ、そこで巨大な麻薬密売組織を率い、麻薬の不法取引を行いながら、米国の支持のもとボリビアの軍事クーデターに関与した、そうだ。

ウ~ん・・

そう、よく「ヒトラーは生きていた!」とかゴシップな情報を昔は良く聞いたけど、おそらくこの辺の情報が当時はまだ公にされていなかったため、ほのめかしが広まっていったんだろうな。冷戦が終わってからというもの様々な情報が流れ出ているわけだけど、現在のイラク関係の情報もほんの氷山の一角に過ぎないことは、このことでも明らかだな。