時は開戦前年の昭和15年、中国への和平交渉をなんとか働きかける本土外交側とそれへの阻止を暗躍する見えない敵の攻防。同じ時期に米国との交渉などもあったころだが、況やこの作品の果たすべきとする制作側の心情は思うに、大東亜で占領国だった日本のアジア諸国への心痛な反省だろうか。大映映画路線がほかの映画会社に比べ重く捉える傾向にあることも加味されるだろう。いずれにせよ、今回は敵側の日本人への恨み節のような情念は見られず、情念のそれは、孤独な諜報員椎名の運命そのものにフォーカスされていた。孤独な諜報員椎名と、主要国への和平交渉が全滅し、開戦へと進まざるを得なかった敗北国日本の運命とが、次にどう果たされていくのだろうか!?
明日はシリーズ最終章「陸軍中野学校 開戦前夜」 もうこれが最後かと思うとツラいな~もっと見たい。
